見出し 第2回理事会・震災関連3/20 厳冬の日光白根山2/25〜27 厳冬の八ヶ岳2/10〜13 厳冬の鳥海山2/5〜6 冬山・南蔵王縦走1/15〜16 11新年会1/8〜9 北ア・槍ヶ岳2010/12/29〜2011/01/01 |
報NO19 (2011/1/1/〜2011/6/30)
見出し 西川山岳会〜第2回・理事会開催震災関連事項〜
・・・東北関東大震災による事業等の見直し・・・
(自動車燃料不足等を考慮し、西川町在住の理
事のみで開催〜緊急事項協議)
期 日 2010/3/20午後7;00〜
場 所 会長宅(山形県・西川町)
出席理事 (役員)渋谷、荒木(啓)、伊藤(加)、高橋。佐藤(辰)
協議事項 (内容)事業の見直しについて
1、大井沢湯豆腐を食べる会の中止を決定。
*事由〜震災後間もないので自粛する・また暖房燃料(灯油)や
自動車燃料(ガソリン等)の不足。
2、4月以降の事業は、現在、実施の方向で進める。
3、5月GW予定の春山登山/北ア・穂高連峰登山の変更。
*事由〜震災の影響がまだまだ残りそうなので、遠隔地への登
山(会主催)を自粛する。
*変更〜朝日連峰登山(小寺鉱泉〜鳥原山〜大朝日岳〜竜門
山〜日暮沢)に変更する。
4、8月お盆明け計画の南ア・集中登山(8/18〜21)の変更。
*事由〜北岳のバットレス大崩壊で登山道の危険、クライミんグ
等が不能となっていること。
*変更〜北ア・槍ケ岳集中登山、登攀に変更する。
5、会の活動ではなく、有志による震災地ボランテアを組織し、活
動を計画する。当山岳会HPやメール等で、仔細をしらせます。
なお、この活動には、当山岳会備品のテント等を貸し出す。
見出し グループ県外〜日光・奥白根山登山日光湯元口〜
・・展望/紺碧の空に浮かぶ/真っ白な山々・・
期 日 2011/2/25(土)〜27(日)
場 所 栃木県 日光・奥白根山(2578m)
日 程
2/ 25(金)・・夜行・・・遠藤邸19:00⇒東北道⇒日光道⇒日光湯元
01:30(幕営・仮眠)
2/ 26(土)・・日光湯元7:00・・・前白根山12:00・・・避難小屋13:30
(幕営・拍)
2/ 27(日)・・避難小屋6:20・・・東南稜8:00・・・奥白根山9:40・・・
日光湯元13:30・・・日光道⇒東北道⇒寒河江IC⇒中
山町19:30(解散)
参加者 CL遠藤(博)、石川、荒木(節)、後藤、山中、
大友、三村、中野、遊佐親子、草g・・・11名
記 録 文〜草g 写真〜石川、草g、遠藤(博)
2/25(金)雨 夜行
19:00 遠藤邸に着くと、すでに秋田から大友さん三村さん、石川さん山中さんが到着して
いた。勧められるままに、奥様から美味しいカレーをご馳走になり出発。寒河江IC
で荒木(節)さんを拾い、山形蔵王ICで後藤さんと合流、一路日光へ。
0:00 上河内SAでコーヒーを飲みながら時間調整していたが、日付が変わったので出
発。これで高速料金が7000円もお得なのは大きい。
1:30 日光湯元に到着。 早速テントを張り、好天を祈り乾杯、星は出ているが風が相
当強い。3:00頃就寝
2/26(土)快晴 前白根山からの眺望〜間近に奥白根山
雄大男体山が中禅寺湖と絶妙なバランスで鎮座
6:00 起床すると、千葉から仲野さん、地元の遊佐さん親子がすでに到着していた。早
速お湯を沸かし、コーヒーを飲みながら朝食をとる。
7:20 仕度を整え湯元を出発、すばらしい青空だが上空は相当風が強そうだ。湯元スキ
ー場を登り始めて間もなく、大友さんが体調不調を訴え下山する事になる。心配
だったが「温泉に浸かって待ってる」とのベテランの言葉なので、少し安心する。
8:40 スキー場から南へ折れ、林の中へ入るといきなりの急登、山形ではあまり味わえ
ない、グラニュー糖のようなサラサラ雪に足場が定まらない。いったいどこまで続
くの?、汗がどっと噴出す。
10:40 もうすぐもうすぐと騙されながら、ようやく外山の稜線に到着。さっきまで吹き荒れ
一難去ってまた一難。今度は、さらに傾斜のきつい花崗岩へチャレンジとなる。こ
2月10日(木) 天候・・ 夜行
10日に会合を主催して、どうしても欠席できずに東北自動車道の蔵王PAで拾っ
てもらった。お酒(初孫の魔斬のぬる燗)を飲んでいるから当然酔っている。西川
山岳会が得意とする夜行である。
そろそろ着いたかなと思ったら、美濃戸口の手前の坂道で、一時、タイヤがスリ
ップして進まなくなった。フロントドライブの車は雪道に弱い・・・?。それでもなんと
か、翌日3時に美濃戸口に着いた。
2月11日(金) 天候・・ 阿弥陀岳の登頂をあきらめ
仮眠を取り、7時15分に行者小屋を目指して歩き出す。気温が低いのか、足元
で雪がキュキュと鳴る。荒木(節)さんの足取りも軽く、例により、トークも滑らかに
順調、12時30分行者小屋に着いた。
午後、阿弥陀岳の登頂を予定していたが、天候や雪の状態から、あきらめ、す
ぐにテントを設営、1時間ほどで飲み会の準備が整う。大友さんから「ヘネシーの
1リットル軟水瓶」の差し入れがあった。直ぐ飲み会突入。
2月12日(土) 天候・・ 赤岳山頂踏破
7時15分にテン場を発ち、赤岳を目指す。ほどなく樹林帯を抜け、鉄ハシゴとク
サリが雪に埋まって真っ白な斜面が現れる。雪崩を心配しながら真っ直ぐに登る。
文三郎に8時45分着。
吹雪で視界が悪く足場も悪いため、女性1人を男性1人がサポートして慎重に
登る。所要時間3時間30分ほどで山頂に着いた。山頂に着いたら青空が広がっ
てきた。
今度は、難関の赤岳の下り。ザイルにカラビナを掛け、アイゼンの爪を引っかけ
ないように降りる。「工藤さん、女性から離れすぎだ、そこの2人を慎重に下ろせ
!」と遠藤(博)さんの声が飛ぶ。やはり危ない!!これで本気になった。それで
も14時に無事テン場に着いた。途中、文三郎から手を振ったら、テントで待って
いる大友さんが手を振っているのが見えた?見えたような気がした。
14時30分に自然水で今日の無事を祝って乾杯し、ついでにサントリーの山崎
硬水を皆で試飲した。
2月13日(日) 天候・・ 美濃戸口を後にする
13日に阿弥陀岳に登るはず??だったが、その楽しみは来年にとっておくこ
とにして、テン場を後にした。今朝は、真っ青な空に阿弥陀岳が白く聳えていた。
ちょっと惜しい気がした。下山途中、われわれの行く手にカモシカが現れる。どう
やら子どものカモシカで、しぐさから、右前足が凍傷のようだ。東北のカモシカと
違い、黒っぽい。
美濃戸口に着いたら、車の後部座席のルームランプがつきっぱなしだったこと
を駐車場の管理人から教えられ、さらに、車がリアドライブ(先日の誤り)である
ことを発見する。12時30分頃美濃戸口を後にする。
見出し グループ登山〜厳冬の鳥海山大台野牧場口〜
・・快晴/感動・これまでで最高のコンデション・・
期 日 2011/2/5(土)〜6(日)
場 所 山域/鳥海山・外輪山(2162m)
日 程
2/ 5(土)・・4:00県庁⇒遠藤宅⇒道の駅むらやま⇒石川宅⇒
7:30大台野牧場〜10:30山雪荘〜12:30滝の
小屋(泊)
2/ 6(日)・・4:00起床〜6:30滝の小屋〜11:30外輪山・・・
下山・・・13:00滝の小屋〜16:00大台野牧場⇒
ゆりんこ温泉・・・入浴・解散
参加者 CL遠藤(博)、工藤、後藤、安井・荒木(節)、飯澤・
石川・・・・・7名
記 録 文・写真〜石川、
2月5日(土) 雨が雪に変わり徐々に好天となる
朝起きると、わりに穏やかな天候だったが、後藤車・遠藤車が庄内に到着する
頃には本降りの雨となった。しかし、大台野牧場に着くころには湿った雪に変わり
りザブザブの雪で4WD車でもやっとのことで到着する。
今年の酒田市は、1月の降雪量が1953年の観測開始以来最多の20cmを
記録した。でも、山に入ってみると例年よりは多いようだが、思っとぃたほどでは
なかった。今年は、里雪型なのだろうか??。
今回のメンバーは、スキーが6名とワカンが1名。ワカンで滝の小屋までは少
し心配であったが、飯澤君のパワーにはいらぬ心配のようだ。歩き始めは濡れ
雪だったが、標高が上がるにつれ徐々に軽い雪に変わり、いつの間にか晴れ
間がのぞくようになった。風も全くなく気持ちの良い登りが続く。
最後尾のワカン飯澤君が物足りなさそうな顔をしているので、トップを譲ること
にした。セカンドが追いつけないスピードで突き進んでいく姿にはビックリするば
かりだった。間もなく山雪荘から尾根にとりつくと、ウサギ穴があり足跡を見つけ
る。たった今、逃げ込んだようだった。そういえば、今年は亀が参加してないなあ
・・・。今年はウサギ年なのでそっとしておこう。
穏やかだった天気も1100mあたりから風が吹き始め、第4斜面の上に出ると
やはり強風が吹いていた。しかし、小屋ははっきりと確認ができる。ここは、毎年
必ずと言っていいほど強風が吹いており、雪が吹き飛ばされるので小屋の周り
は極端に積雪が少ない。昔の人は本当によく考えて建てたものだと感心する。
小屋のドアは、去年の秋に新しく鉄製に替えられ開け閉めが楽になった。玄関
にも雪の吹き込みが少なく、スコップでさっと除雪する程度で済んだ。小屋に入り
備え付けの温度計を見ると−3℃であった。
それぞれ手分けしてテント2張り、飲料水(雪)の調達をすませ1時に乾杯!!
今日の疲をねぎらう。早速荷揚げしておいたアルコールに手をつける。後藤さん
自家製のチーズや鶏肉、豚肉などの燻製が絶品だ。今回も、工藤さんがマグロ
の大きなサクを持ってきて、みんなに御馳走してくれた。生マグロなので、触感
がもっちりして美味しい。遠藤さんはおなじみ中国産落花生と食材と飲み物も豊
富にあり、ゆっくり夜を堪能した。
明日は出発が早いので、決まり良く7時に就寝。(一部30分延長)寝る前に外
に出てみると満点の星が輝いていた。明日の外輪アタックの成功を予感させる。
2月6日(日) 無風、快晴、山がオレンジに輝く!!
「4時だよ!!」。誰かの声で目を覚ます。まずはコーヒーを飲み眠った体を目
覚めさせる。外に出てみると、無風・快晴、絶好のアタック日和だ!。朝食を摂
り逸る気持ちを抑えアイゼンを着装しいよいよ出発する。
雪温が低くキュッキュッと小気味いい音が響く。登り始めて5分もすると、朝日
が顔を出し始め、これから登らんとする鳥海山を照らし始める。山全体がオレン
ジ色に輝き素晴らしい光景になった。無口の安井さんも素晴らしいを連発する。
算盤尾根に取り付くと、アイスバーンになる。今年はガチガチというよりは意外
と薄くて柔らかく、ところによっては表面が割れて潜り非常に疲れる。これまで緩
んだ日がなかったので、融けることもなく雪がそのまま固くなったようだった。
いつもの年より東の尾根を登りつめ、遂に10時30分外輪山に到着した。眼
前に広がる360度の大パノラマ!!、目の前には何も遮るものはなくクリアな
視界が広がり、圧倒的な光景には息をのむばかりだ。これまで見た中でも、最
高の景色が広がり歓喜の声が響き渡る。
海老の尻尾が大きく成長していて、岩氷は奇岩となり芸術的でさえある。厳冬
期の鳥海登山は8回目になるが、外輪山まで登れたのは今回も含め4回であ
り成功率は50%と言うことになる。
気温もそれほど低くなく、風もそれほど強くなく、これまでで最も良いコンデシ
ョンで登ることができた。外輪山で食事を摂ることにしたがこんなことは初めて
であった。月山や朝日連峰、出羽丘陵、奥羽山系など景色をじっくり堪能し下
山する。
大雪渓のあたりに、蟻のように単独スキーヤーが登っているのが見える。又、
途中スノーボーダーが登ってきて挨拶を交わす。日が高くなるにつれ、空は青
から群青色に深みを増し、雪山とのコントラストが見事だ。
小屋に戻りお茶を飲み、きれいに掃除をして帰り支度をする。さあいよいよ
我々にとってはが核心部の始まりだ。今日の雪質では、歯がたたず全くスキー
にならない。顔面着地をしたり、散々な滑りで必死に降りる。楽しむ余裕は全く
なしである。ただ一人、後藤さんだけはファットスキーで快調に滑り楽しそうで
あった。(足前も良いからだが)
それに追い打ちをかけられるように、ワカンの飯澤君からも追い抜かれる
始末で、スキー部隊はカタナシである。それでも頑張り、滑った後を振り返る
と遙か彼方の「宮様コース」にくっきりと華麗な(?)シュプールを描いていた。
大台野の登山口には、15時30分に到着。待つこと20分程で飯澤君が到
着する。スキーとワカンが20分しか違わなかった計算になる。しかも彼はテ
ント2張りを担いでの下山である。有り余る体力に脱帽するばかりであった。
ゆりんこ温泉で、今回の素晴らしい山行に浸りながら、ゆっくり汗を流し疲
れを癒し解散した。
見出し グループ〜冬山・南蔵王縦走澄川スキー場口〜
・・冬山訓練/2日目・人の声もかき消される吹雪・・
期 日 2011/1/15(土)〜16(日)
場 所 厳冬の南蔵王コース
日 程
1/ 15(土)・・6;00山形県庁⇒澄川スキー場⇒7;30白石スキー場
・発9;00〜12;20不忘山〜屏風岳〜16;30芝草平
(幕営・泊)
1/ 16(日)・・9;00芝草平〜10;00杉ヶ峰〜12;50刈田峠避難
小屋〜刈田〜16;00澄川スキー場ー⇒19;50山形
県庁・・・解散
参加者 遠藤(博)、草g、大江、石川、荒木(節)、工藤、
亀岡、福田、 飯田、・・・・・9名
記 録 文〜亀岡 写真〜石川、
1/15 曇り 不忘山の山頂〜素晴らしい眺め
乾杯/キンキンに冷えたマグロは絶品
今回の山行は、昨年の北蔵王縦走の続編として計画されたのものである。しん
しんと降る雪の中、朝6時に山形県庁に6名集合し出発。澄川スキー場で待って
いた福田・飯田・大江と7時30分に合流。車2台をデポし、3台に分乗して白石ス
キー場へと向う。
9時、登山計画書を提出して出発、リフト2本のところを1本はウォーミングアッ
プのために歩く。うす曇で風もなくサラサラの新雪の上を我等のト レースだけが
続いてゆく、登るにつれて周囲の景色も見えてきて爽快な気分。まだ積雪量は少
ないので、樹々が様々な様相で雪を纏っており、その中を縫うように進む。まるで
歌舞伎の舞台装置のような美しい木々に、石川さんが思わずシャッターを切る。
途中、別コースから登ってきた山スキーの2人組と出会う。日帰りで不忘山の頂
上の手前から、シールをはずして滑走して行くようだ。目の前には不忘 山山頂へ
と続く尾根筋がくっきりと空を分ける。1人の登山者が頂上から下ってきた、挨拶
を交わす、日帰りでこのまま下るようで、夏場は朝日町でカヤックを楽しんでいる
と言う。
頂上までは急峻な登りとなるため、スキーをはず、しつぼ足で登る。12:30分
山頂到着。素晴らしい眺めだ、頂上からの下りは全く踏み後もない。石 川さんが
果敢にトップを務め、後姿でも気合が入っているのがわかる。無事に下りきって
スキーを履く。遠藤(博)さんから「芝草平にテントを張るから頑張 れ!」と激が飛
ぶ。後ろで、草gさんが「ゆっくりでいいからね。」と声をかけてくれるのが心強い。
モコモコの樹林帯の迷路の中を、登ったり下ったりしながら芝草平を目指す。は
るか前方下に広がる広々とした芝草平・・・・しかし、巨大迷路をなかなか脱出で
きない。4時30分芝草平到着。
遠藤(博)さんが、テントを張る場所を指示し、皆で踏み固めるが、気温の低い
為になかなか固まらず、私の得意技の「土突き」もこの雪には歯が立た ず・・・・
トホホ・・・。何とか力を合わせてテント2張分の広さを確保。
やっと5時40分乾杯。つまみは、工藤さんがマグロをサクごと持参し、分厚い
切り身に切り分け、わさび醤油でご馳走になる。キンキンに冷えたマグロは絶品。
夕食は、石川さん チョイスのその名も「遠藤流、きりたんぽ鍋」、レシピは門外
不出。本物のきりたんぽを凌ぐおいしさである。
風のない穏やかな夜。なぜか2つのテントは、体格別に分かれてしまい、1つ
はやせっぽ4名、第2テントには重量級3名を含む5名・・・2つのテント内の温
度の差は10度位あったであろう。やせっぽ4名のテントは凍えていた。
1/16 風雪 杉が峰のピーク・吹雪は激しく
樹氷の迷路を突き進む
6時起床(5時に石川さんが皆を起こしてくれたのだが・・・駄目だった。)朝食
は、夕食の鍋にうどんを煮込む。天気予報は良いほうに外れてくれて風もない
晴れた空に明けの明星、金星が美しい朝だ・・・と思ったのもつかの 間、テント
を撤収する頃から天候が変化、し風も出て気温の低さにポールも凍ってたため
ない。すぐに指先がしびれてくる。
9時に出発、徐々に視界は真っ白、樹氷の中を黙々と進む。遠藤(博)さんと
石川さんが何度もコンパスで方向を確認し合う。トップが踏み出す一歩が、登
りか下りがわからないのだ、開けた方向へ進むときれ落ちて行き止まりとなる。
石川さんがトップで2番手の遠藤(博)さんが方向 を指示しながら、空と峰と雪
面との境界線がない白い世界を歩き続ける。
激しい吹雪が頬を刺す。下だけ向いて歩くしかない、ふっと顔を上げると前方
のメンバーの姿を見失う。人の声もかき消される吹雪のため、誰かが遅 れる
と、最後尾の工藤さんのホイッスルが響く。
10:00、杉が峰のピーク・・・ますます吹雪は激しくなり、立ち止まると手も足
も痺れてくる。「ここからはスキーをはずしてゆくぞ!」と力強い遠藤(博)さんの
声と、目の奥の光にぐっと気持ちが引き締まる。
下ってゆく途中、で鋭く不気味な「ヒュっ!」と言う風切音が聞こえた。ふっと
冬山に潜む魔物の気配がして、ストックをもつ手に力が入る。「負けちゃ駄目
だ・・・」と心の中でつぶやく。
下りきってスキーを履き、また樹氷の迷路を突き進む。11;20、風を避け
た場所で立ったままで休憩。凍ったパンを貪るように押し込む。ハムもマヨネ
ーズも冷凍食品と化している。
12;50刈田峠避難小屋地点に到着。雪に埋もれて、木なのか小屋なのか
と皆でキョロキョロしていると、すぐ左手目の前に小屋を発見。入り口は埋 ま
っていて入れない。もう、遠藤(博)さんの髯は真っ白に凍ってツララが出来て
いる状態だ。吹雪は止まず、行く手を阻む。
14;30、南蔵王登山コースの道標の前を行過ぎる。車道に出てからも前
方が全く見えず気が抜けない。
日 程
1/ 8(土)・・8;20西川交流センター⇒8;50大井沢温泉
⇒9;30根子〜11;20/11;35アメリカ橋
〜12;40膳棚〜13;50林道橋付近〜日暮
沢避難小屋着14;15(泊/新年会))
1/ 9(日)・・9;00〜9;30ビーコン使用/レスキュー講習
〜9;38小屋出発〜10;47膳棚〜11;50
アメリカ橋〜根子着13;10⇒13;30〜14;
00⇒間沢/一松蕎麦や(昼食・板蕎麦13人
で25人分)・・・解散
参加者 遠藤(博)、佐藤(仁)、柴田、大江、石川、荒木(節)、
大和田、宇野、遠藤(敏)、鳴海、工藤、橋本、渋谷
・・・・・6名
記 録 文〜渋谷 写真〜遠藤(敏)、渋谷、佐藤(仁)
1/8 曇り・時々風雪 渋谷/日程間違い
深く重い雪/しかしラッセルは快調
朝、除雪作業をしていると、事務局長が車で訪れ「出発時間で皆が交流センタ
ーで待っているよ」と伝えに来た。「?・・明日から(9〜10日)ではなかったのか」
と問い返したが、HPに私(渋谷)の記載が間違いで、8〜9日の日程に訂正され
たとのことである。
勘違いに気ずき、参加者の皆にはすぐ出発してもらい、機械除雪作業を半端に
し、急ぎ朝食を済ませ、登山準備もそこそこに、9;20に家をでた。10;20に山
スキーを装着、一人寂しく??根子集落を出発。
だいぶ深い道であったが、12人のトーレス跡を辿るのは、極めて楽、例年の
休憩場所となる大井沢集落水道の排水地まで一気に登る。ここで無線を入れ
ると、柴田君が応答(5・9)、アメリカ橋手前の杉林を通過中とのこと。心簿さを
解消し、一息だけついて通過。
時々風雪となったが、行く先の明るさも増し、雪綿に覆われた木々の神秘さに
感動しながら先を急ぐ。アメリカ橋を渡ると、皆が昼食休憩をとっていた。「ゴメ
ンゴメン、明けましておめでとう・・」と挨拶して合流できた。
雪の深さがまし、午後の新雪は重い。しかし、屈強なメンバーは、交代でラッ
日 程
12/29(水)・・夜行・山形19;00⇒小国道の駅20:30⇒北陸
道⇒新穂高温泉・着翌3:30
12/30(木)・・新穂高温泉7:40〜穂高平避難小屋9:40〜
白出沢出会11:15〜滝谷避難小屋13:40〜
藤木レリーフ13:55〜撤退(1868m)14:45〜
藤木レリーフ15:40(幕営地・泊)
12/31(金)・・幕営地9:50〜滝谷避難小屋10:10〜白出沢
小屋11:50〜穂高平避難小屋12:50〜新穂高
温泉幕営地13:20(泊)
1/1(土)・・幕営地9:40〜新穂高温泉10:20〜深山荘⇒
松本13:30⇒北陸道⇒小国道の駅19:20⇒
山形・村山・米沢・・解散
参加者 遠藤(博)、柴田、後藤、石川、荒木(節)、
大江・・6名
記 録 文〜大江 写真〜石川・柴田・遠藤(博)
12/29(水)**夜行
柴田さんの車に荒木(節)さん、後藤さんの車に遠藤(博)・石川さんを順次乗り合わせ。
小国白い森で合流、大江をピックアップして予定より早く一路新穂高温泉へ向う。途中、
雪の為スリップした車が対向車線を越えてクラッシュしていた、数分違えば巻き添いにあ
っていたのではと、より慎重に安全運転を心がける。
30日午前3時30分、新穂高温泉に到着。(夏の無料駐車場は、雪のため利用不可、
バス停の隣が無料開放されていたので、駐車場をようやく確保)仮眠をとる。
12/30(木)雪、午後より荒れ模様(槍平小屋へ)
除雪車の音で起床、準備でき次第に出発とのことで、のんびり準備に取り掛かる。遠
藤(博)さんが登山届けを提出し7;40出発。右俣林道の途中に牧場のある穂高平小屋
に到着、ここは毎年干支の雪像を作っており、今年は兎、丁度12年前、会の山行で来
ているとのこと。
イヤになるほど長い林道は、白出沢出合(白出沢小屋は撤去されていてトイレのみ)
でようやく終わり、いよいよ樹林帯の中の登山道。人気のコースとあってすでに先発隊
の30センチ程のラッセル跡あり、快適に進む。
途中昼食、滝谷避難小屋に到着、小屋内にはすでにテントが張られていた、此処は
そのまま通過。滝谷出合ではデブリの跡がいくつも見られ、見上げればガス雲の合間
から稜線の大キレットをまじかに見ることが出来た。
滝谷からは、次第にきつく谷も狭くなりなかなか進まなくなる。14時過ぎ遠藤(博)さ
んからテント隊を先発させる案が出たが、そんな元気無く、みなで登る事とした。しかし、
進むにつれ、今日出来たデブリ跡が多く見され、また天候も悪化の一途で、このまま
突っ込めば槍平小屋から引き返すのも困難になる恐れがあると判断、(引き返すにも
この連続した急斜面では、なだれる恐れがあり戻れなくなる。)”計大行小”をモットー
に、本日の山頂1868mをこことして、滝谷小屋へ引き返すこととした。
撤退が決まれば下りは早いもので、途中の藤木レリーフの前に水場があり幕営地
に決定し、本日筆卸(新調)のエスパース(マキシムフライ)テントもアットいう間に設営、
芸術的なトイレ、登山道迂回路、水場への道とめいめい手馴れた様子で明るい内に
準備完了。荒木(節)さんと柴田さんのカッパも、本日筆卸とのこと、羨ましい限り。
快適なテントの中で、早々に乾杯、明日の計画は天候によりロープウェイで西穂高
案が有力・・・、久々に重荷と冬山登山の疲れもあり、いつの間にか寝てしまった。
12/31(金)午前高曇り
荒木(節)さんの声で起床、柴田さんがテント周りを雪かきするがたいしたことが無
いとのこと。本日の計画を話し合いながらコヒーとゆっくりの朝ラーメンをいただく。
下りは、荒木(節)さんを先頭に順次順調に進む。途中、ロープウェイ料金が高い
のでは?とのことで西穂高案は消えてしまいました。穂高平小屋には、恒例干支の
雪像として「兎」が待っていてくれました。水のあるところを求めて本日の幕営地とし
ました。
早めの乾杯で冬山装備の点検、心構えなどを話し合いながら暮れ行く年を惜しみ
つつ何時の間にか寝てしまい、柴田さんのラジオでの恒例「紅白歌合戦」を聞き逃
してしまいました。
1/1(土)午前高曇り
「あけましておめでとうございます、昨年は大変お世話になりました、今年も宜し
くお願いします。」の荒木(節)さんの一声で起床。コヒーとゆっくりの石川さんの実
家のおいしい餅いり朝ラーメンをいただきました。
テントを撤収し、のんびりと新穂高温泉駐車場へ下山。深山荘で朝風呂をいた
だき帰路に着く、途中松本で回転寿司で昼食。小国道の駅で皆さんとお別れ、家
に着くなり2時間ほど除雪しないと入れない状態でしたが、無事帰宅でき皆様のご
指導に大変感謝いたしております。